糖尿病の数値が気になる方へ｜基準値・改善法・日常生活のポイントを徹底解説

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目次 [非表示]

1 糖尿病の「数値」とは？基本をおさらい2 糖尿病と診断される数値の目安とは3 血糖値が高いと言われたら？初期対応と改善策4 治療中の方必見！数値が安定しない理由とは？5 糖尿病数値改善のために今日からできること6 まとめ7 当院について

糖尿病の「数値」とは？基本をおさらい

糖尿病というと「血糖値が高い」というイメージが一般的ですが、医療現場ではより詳細な数値を使って患者の状態を評価します。代表的なものが「血糖値」「HbA1c（ヘモグロビンエーワンシー）」「インスリン値」です。

血糖値は、血液中のブドウ糖濃度を示し、空腹時と食後で大きく変動します。 HbA1cは過去1〜2か月の血糖コントロールの状態を示す指標で、数値が高いほど慢性的な高血糖状態にあることを意味します。

【基準値の目安】

・空腹時血糖値：70〜99mg/dL ・食後2時間血糖値：140mg/dL未満 ・HbA1c：5.6%以下が正常、6.5%以上で糖尿病の診断基準

これらの数値は健康診断や血液検査で確認可能で、異常が見つかった場合は再検査や専門医の診察が必要です。

糖尿病と診断される数値の目安とは

糖尿病の診断には、主に空腹時血糖値とHbA1cが使われます。1回の数値だけでは確定診断とはなりませんが、以下のような状態が続いていると、糖尿病の可能性が高くなります。

■ 空腹時血糖値：126mg/dL以上

食事を抜いた状態での血糖値。継続的に高い場合、インスリンの働きに関わるとされており、生活習慣の影響が指摘されています。

■ 食後2時間血糖値：200mg/dL以上

食事後の高血糖は動脈硬化のリスクを高めるため、重要な指標です。

■ HbA1c：6.5%以上

糖尿病の診断基準の一つです。6.0%を超えると「予備軍」と判断されることもあります。

重症度の目安として、以下のように分類されます。

■ HbA1c 7.0～8.4％

中等度のコントロール不良

■ HbA1c 8.5％以上

高度な血糖コントロール不良とされ、合併症のリスクが高まります。

■ HbA1c 10％以上

著著明な高血糖が続いている場合、インスリンの使用や生活習慣の見直しを学ぶ目的で教育入院が勧められることもあります。

※なぜ入院が必要なのか？

急激に発症する1型糖尿病を除けば、ほとんどが2型糖尿病となります。2型糖尿病は肥満によるインスリン抵抗性（インスリンが効きにくい）により高血糖となります。食事や運動などの生活習慣が影響するとされており、予防・改善には日々の習慣の見直しが大切で、生活レベルから治療する必要があります。

また高血糖が持続すると様々な症状を引き起こすだけではなく、重症感染症、脱水、虚血性疾患を引き起こし、致命的になるケースもあります。そのような場合はインスリン治療が必要になり、使い方などをマスターするために入院が必要になります。

血糖値が高いと言われたら？初期対応と改善策

血糖値が高いと診断されたとき、多くの方が「すぐに薬？」と不安になりますが、まず重要なのは生活習慣の見直しです。

食事の見直し

白米を玄米や雑穀米に変更
精製度の低い炭水化物で血糖の急上昇を抑える。 野菜を先に食べる「ベジファースト」
食物繊維の働きで糖の吸収を緩やかに。 分割食を意識
一度に糖質を摂らず、血糖の安定化に繋げる。

運動の工夫

1日30分のウォーキング
有酸素運動でインスリン感受性が改善。 食後の軽い活動
血糖値の急上昇を防ぐための“ゴールデンタイム”活用。 無理なく続けられる内容から
習慣化こそが最大のポイント。

睡眠とストレス管理

十分な睡眠を確保
睡眠不足はホルモン異常により血糖上昇の要因に。 ストレスをため込まない工夫を
慢性ストレスはインスリンの働きを弱めてしまう。

血糖値をコントロールするためには、薬だけに頼らず、生活の見直しが大切です。まずは日常の「できること」から少しずつ始めていきましょう。

治療中の方必見！数値が安定しない理由とは？

治療を続けているのに数値がなかなか安定しない方も少なくありません。原因は一つではなく、以下のような複数の要因が関与していることが多いです。

①

薬の効き方には個人差がある

同じ薬でも体質や生活リズムにより効き目に差が出ることがあります。医師との定期的な相談が必要です。

②

食生活の“つもり”が落とし穴

「野菜中心にしているつもり」でも、ドレッシングや隠れ糖質で糖質過多になっていることも。

③

運動不足の“日常化”

習慣になっていないと、つい運動を忘れてしまいます。血糖値は「日々の積み重ね」がものを言います。

④

モニタリング不足

自己血糖測定や定期的な検査が不足していると、悪化に気づくのが遅れます。

医師としては、「薬に頼るだけでなく、生活も変えること」を患者さんに強くお伝えしています。

糖尿病数値改善のために今日からできること

糖尿病は「継続できるか」がカギです。急激な変化ではなく、小さな改善を積み重ねることが成功のポイントです。

① 50代男性Aさんのケース

日々の生活に30分の散歩を取り入れ、間食を控える習慣を続けた結果、半年後には血糖値の安定がみられるようになった。

② 40代女性Bさんのケース

HbA1cが10％を超えており、重度の2型糖尿病の診断となった。教育入院が勧められましたが、本人が外来での治療と生活習慣改善に向けた強い意思があり、内服治療を開始。治療開始から8か月で20kgの減量、HbA1cが10→6％まで改善。「生活習慣の改善と薬物療法の継続により、医師の判断で薬の種類が減った」。

■ 医師からのアドバイス

「完璧じゃなくていい」
「できることを、できる範囲で、続けること」が大切です。糖尿病は多くの場合、適切な管理によって状態の安定を目指すことができ、数値を改善することで合併症を予防できます。

まとめ

糖尿病における「数値」は、体の状態を知る大切な手がかりです。

血糖値やHbA1cは、診断・治療・予防の中心となる指標であり、これを理解し適切に対処することで、糖尿病との上手な付き合い方が見えてきます。

数値が安定しない背景には、薬の効き方や生活習慣、モニタリングの習慣など、さまざまな要因が複雑に絡んでいることが少なくありません。

生活習慣の見直しと、医師との定期的な連携が、数値を安定させる最も効果的な方法です。

糖尿病は「治す」よりも「コントロールする」病気です。完璧を目指さず、できることを、できる範囲で、続けていくことが大切です。

日々の習慣に目を向け、小さな一歩から始めましょう。

当院について

当院は患者さんの内科的治療はもちろんのこと、病気にならないようにする、処方だけに頼らない「予防医学」に注力したクリニックです。併設したメディカルフィットネスジムと協力して、診察以外の時間も患者さん、利用者さんに付き添い、日常生活に溶け込んだ医療を提供します。

医師紹介

野呂 昇平

外来紹介

生活習慣病外来 肥満外来 睡眠時無呼吸外来 禁煙外来 頭痛外来 アレルギー外来 各種ワクチン接種

各種資格

救急科専門医 産業衛生専攻医 脳神経外科専門医 脳卒中専門医 脳血管内治療専門医 日本医師会認定健康スポーツ医 産業医 健康運動指導士 公認パーソナルトレーナー（NSCA-CSCS/CPT）

予約について

当クリニックは完全予約制です。下記ボタンより予約可能となっております。

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